せどりや転売、同じ言葉や内容にも感じるし、同じように使われているし、かと言って明らかに何か違いも感じますよね。
せどりvs転売…このふたつの違いは、いったいどこにあるのか!?
[keikou]シンプルに結果から言うと、俺せどでテーマにしているせどりと転売に根本的な内容の違いはなく、使われる場面や分野、世間の印象に大きな違いがあることが判りました。[/keikou]
気になって、この際ガッツリ目に調べてみたら、スッキリ納得したので、その内容を報告したいと思います。
目次
せどりと転売、辞典の説明の違いは?
まずは、やはり世間から信頼の高い、掲載用語に関して専門家の監修をきちんと受けている、あの分厚い辞書界の重鎮、「大辞林」(三省堂)のWeb版の説明を読んでみました。
せどりと転売の違い「大辞林」の説明
さて、大辞林様によるせどりと転売の違いはいかに。
せどりとは(大辞林)
〔動詞「せどる」の連用形から〕
①売買の仲介をして手数料を取ること。また,その人。
②〔本の背表紙を見て本を選ぶことから「背取り」とも〕 古書業界の用語で,掘り出しものを見つけて安く購入し,他の古書店に高く転売すること。また,その業者。転じて,書籍・雑誌を古書店などから購入し,オークションなどを利用して買値より高く売って儲(もう)けることなどにもいう。
連用形って言葉を聞いたのは、学生時代以来です(笑)
せどりのイメージ、まさにそのままがうまく説明されてますね。辞典だから当たり前でしょうか。
もともと販売方法はオークションが良く使われていたのが伺えます。
アンティークなど、古いモノは色々な分野で昔からあったはずですが、古本が一番手軽で、価格差が出やすかったのでしょうかね。
転売とは(大辞林)
つぎは、転売です。
てんばい【転売】
( 名 ) スル
買った物を、そのままほかの人に売ること。 「土地を-する」
せどりに対して転売の説明は、意外とあっさりした解説ですね。
大辞林では、せどりに関しては価格差に触れた説明でしたが、転売に関しては触れていないのも意外な感じですね。
書くまでもない、という認識なのでしょうか。
なんとなく消化不良な感じ。もうちょっと説明が欲しいですよね。
ということで、次はウィキペディアによる説明も見てみましょう。
せどりと転売、ウィキペディア(Wikipedia)による説明
さて、大辞林様による厳粛で簡潔な説明を、噛みくだいて教えてくれそうな、Wikiが出してくれる答えに期待。
せどりとは(ウィキペディア(Wikipedia))
上に書いた「大辞林」(三省堂)を最初に引用していますが、ウィキペディア独自に付け加えられた説明として、さらに
一般的には古本用語を元にした「掘り出し物を第三者に販売して利ざやを稼ぐ」商行為を指す言葉。
と説明があります。続けて古本用語として
古書業界で使われている「せどり」は、業者間の「競り」から来た言葉で「競取り」と書く。古書組合などの業者間の競り売りは、主に束売りで行われるため、欲しい本を競り落とすためには必要のない本まで買わなければならない場合がある。その場合、競り落とした後に必要な本を抜き出し、必要のない本は何らかの形で処分する事になり、結果として「必要な本だけを抜き出す」事になる。そこから「多くの本から必要な本だけを抜き出す」行為を「競取り」と言うようになった。
と説明があります。この束販売にあたる、「人気があるもの」「人気がないもの」を抱き合わせでセット売りされるのは、古本だけでなく、他にも古着や古布、宝石などでもあります。
アンティークマーケットなどでも抱き合わせ販売は、よく見かけますよね。
米不足の頃から一般化した(?)ブレンド米なんかも、イメージは違いますがやっていることは同じで、人気がある産地や種類のお米と、売れない産地や種類のお米を混ぜて販売する方式は同じですよね。
[keikou]よく見れば、他の食品、サービスや、いろんな業界で昔も今もセット販売は行われているのに、売れる本だけを抜き取って販売して、後は処分した古書業界のしきたりが、せどりという語源になったのは面白いなと思います。[/keikou]
他の分野では、そういうことはされなかったのか、せどりという単語が使いやすくて広まったのか。
興味深いですが、話がかなりズレたので、せどりと転売に戻します。
転売とは(ウィキペディア(Wikipedia))
Wikiで「転売」と検索した結果、「転売屋」の項目に転送されました。
主に数量が限定されるなどの入手困難な商品を転売目的で大量に購入し、インターネットオークション等で高値で販売することを生業・趣味とした人々を指す。運営者、供給者、需要者の利益を損ねる行為として問題となっている。
趣味というよりも、近年はお小遣い稼ぎや副業目的でやっているとか、いわばセミプロみたいなケースの方が多いような気もしますが、もちろん純粋に趣味レベルでやっている方もいるでしょうね。
今までにない説明「問題になっている」という言葉がでてきました。気になるこの点については、後で詳しく調べた内容を書くので、まずは先に続けてせどりと転売の比較を見ていきますね。
あくまでWiki上での説明ですが、せどりと転売の違いを表にしてみました。
せどりと転売、Wikiによる説明の比較一覧
せどり | 転売 | |
商品 | 掘り出し物 | 数量が限定されるなどの入手困難な商品 |
行為 | 商行為、リサイクル業務の1つ | 買い占める |
数量 | - | 大量 |
利益 | 利ざやを稼ぐ | 高値で販売 |
一覧にしてみたら、なんとなく違いがスッキリしてきました。ちなみに「利ざや」(利鞘)の意味は
売買によって生じる差額利益。売買差益金。マージン。
大辞林 第三版(コトバンク)
利ざやは証券、トレードの分野でよく使われています。上に出てきた転売で説明されている内容とだいたい同じ意味ですよね。
上の比較一覧で見ると、どちらかと言うと、転売の方が、意図的に利益を大きく取ることだけを目的にしている、(そのために手段を選ばないような)というニュアンスで捉えられているのを感じます。
安く買ったものを、高く売る、というところは同じですが、利益の取り方について、せどりの方がポジティブなイメージです。表現の違いって大事ですね。
[keikou]本来、個人のマナーやモラルの差であって、せどりや転売自体が問題ではないはずですし、副業で人気になっている、転売の実際のところとは、すでにちょっと違うようにも感じます。[/keikou]
ただ、世間一般的には、せどりと転売のイメージとして、受け取られかたの違いのポイントがこのあたりにあるようですね。
せどりと転売の違い、辞典による結論
ということで、ここでいったん、辞典によるせどりと転売の違いの結果をまとめておきたいと思います。
[topic color="green" title="せどりと転売の違い、辞典による結論"]
・せどりと転売は、基本的にはほぼ同じ
・商品の扱い方、利益の上げ方にやや違いがある
[/topic]
といった感じでしょうか。
ところで、このモヤっとしたやや違う点、気になります。もうちょっと違いを追いかけてみました。
せどりと転売、扱う商品の違いは?
さて、せどりと転売は、やっている内容自体にはあまり違いがなく、扱う商品ややり方にやや傾向の差があるのが判りました。
まだモヤモヤする違いの1つ目、商品に関して調べてみます。
せどりと転売で扱う商品、ネット上の説明事例で比較
調べると言っても、方法も限られてますので、[keikou]一般的に、せどりや転売、それぞれで扱う商品として挙がっている例を、ネット上で「第三者的な説明に載っている事例」で比べてみましたよ。[/keikou]
せどりと転売で扱う商品、ネット上の説明事例の比較表
せどり | 転売 |
古本、お米、CD、DVD、ビデオソフト、ゲームソフト、カレンダー | 有料チケット、限定・記念商品(会場限定商品、マンガやアニメの限定商品、福袋、記念Suica)、希少性・話題性のある新製品(ゲーム機、おもちゃ、ジャパニーズウイスキー、雑誌)、不動産、有価証券、美術品、ライセンス |
せどりのお米(笑)は、ちょっと違和感を感じますが、一応、事例なので載せました(後で、そうでもないことが判りました)。
せどりのほうは、やはり古書から始まったので、書店で扱われるものに近いイメージで説明されていますね。
転売のほうは、金融や不動産などでも使われてきたせいか、マージンを高く出せるもののイメージが感じられます。
せどりと転売で扱う商品、ネットの説明事例での比較結果
実際には、ここで副業でオススメしている、せどりとほぼ同じ行為として説明している転売は、扱うものとしては「副業成功への近道【せどり失敗】パターンの原因と回避方法」でも説明しましたが、ゲーム、おもちゃ、古本、CD・DVD、家電・・・など、ほとんど同じです。
この転売と、金融、不動産、美術品の転売とは、参入のハードルも専門知識も相当ちがいがあり、同じ転売と言ってももはや異分野と言えると思います。
ただ、[keikou]単純に言葉から見ていくと、転売と言う言葉は、一般的に広く色んな分野で使われていて、扱う商品が資産や高額品も対象になりますし、利益を高く出すなど、儲ける・稼ぐイメージが強い傾向がある[/keikou]と言えそうですね。
[topic color="green" title="せどりと転売、扱う商品の違い"]
転売のほうが、言葉として使われる分野が広く、また資産や高額品の場合にも使い、高い利益や金額が関係する傾向
[/topic]
せどりと転売、問題点の違いは?
ところで、上にも書いた、「問題点」ですが、モヤっとするせどりと転売の違いには、ここを比べるととても明確に違いがあるのが判りました。
それは、過去にニュースなどで事件になった例は、「転売」という言葉で説明されていることがほとんどなんですよね。
扱う商品の比較で書いたように「転売」のほうが、「せどり」よりも、広い分野で使われているから、というのも関係あると思いますが、Wikiで検索すると、問題として挙がってくるのは転売という言葉を使っているケースの方が多いんです。
何度も言いますが、[keikou]せどりや転売自体が問題なのではなく、マナーやモラルのない転売が事件として扱われたり、転売という言葉が、より広い分野で使われているから、というのが大きな理由[/keikou]だと思います。
せどりと転売、問題としてのWiki掲載事例の比較
試しに、Wikiで問題としての掲載事例を調べた結果をまとめたのがこれです。
・せどり
事件事例はなし・転売
不正米、汚染米、チケット(コンサート、リフト券、出場権)、オークション、株、美術品、社宅や遊休地など不動産、ライセンス、稲、麦、入場券、スポーツ選手(!)、企業、競争馬、ゲーム、ワクチン、原油、ICカード、オスカー像(!)、プラモデル、おむつ、同人誌、奴隷、スーパーカー、危険ドラッグ、デジタルファイル、ギター、他
ややナナメから眺めてみると、転売っていろんな分野にあるんだな、というのを改めて実感させられます。
オスカー像は、あのマイケル・ジャクソンが知らずにオークションに出してしまって、150万ドル(約1億6000万円)で落札されましたが、転売禁止の違反にあたることになり1ドルで没収されたという有名なハプニングですね。
企業やスポーツ選手さえ(法や規則に沿った転売自体は合法)ビジネスなので商品になってしまうのかと、言われてみればハッとされられるものがあります。
続いて、怖いモノみたさで、法的な相談件数もドキドキしながら覗いてみました。
せどりと転売、法律相談の件数の比較
弁護士ドットコム(https://www.bengo4.com/)さんに寄せられた法律相談の件数で比べてみました。
(せどりと転売で、それぞれサイト内で検索した結果の表示数です)
せどり | 転売 |
39件 | 1976件 |
数字にするとなんと50倍以上の差がありますが、相談内容を見てみると、せどりと転売と実質の内容のちがいは、ざっと見たところあまりない印象でした。
さらに、せどりというタイトルで相談したにも関わらず、文中には転売とでてくるケース、逆のケースもありました。
つまり、実質はほぼ同じでも、言葉として使われやすい、特に問題がある時に使われやすいのが転売という感じですね。
上に書いたような、せどりと言う言葉は使われず、慣例として「転売」が使われてきた業界はあるものの、このサイトのテーマであるせどり、転売は、ほとんど違いがない。
ただやはり、いろいろな取り引きの場面で使われる言葉が転売であり、結果としてトラブルになった時も、「転売行為」などのように使われるケースがほとんどのようです。
内容的には同じと捉えられることが多いので、マナー・モラルのあるホワイトなせどらー・転売ヤーには、不名誉だし、非常に迷惑きわまりない事態になっています。
[keikou]もちろん、必要としているのに購入できない人に、購入できる機会を提供するという、価値あるビジネスとしてせどり・転売で利益を出すことはとても重要[/keikou]です。
ただ、モラルのない買い占めや高額販売などには注意していきたいですね。
[topic color="green" title="せどりと転売の問題点の比較"]
過去の慣例で、問題のあるケースでは、せどりよりも転売のほうが言葉として使われてきている例が多い
[/topic]
せどりと転売、手続きの違いはある?
これまでいろいろ脱線しながら見てきたように、この俺せどでテーマにして説明している[keikou]せどりと、転売には、言葉として使われてきた慣例が違うだけで、行為として基本的にはほとんど変わりがない、というより同じビジネス[/keikou]です。
法律や規則で区別があるわけではないので、手続きの違いもありません。
始める時や、購入するとき、確定申告をする時など、さまざまな場面で、手続きが違うことは過去に経験がないですし、個人的には聞いたことがないですね。
単に、過去に使われてきた表現や場面が違うだけで、実質は同じだと考えてOKでしょう。
[topic color="green" title="せどりと転売、手続きの違い"]
せどりと転売は、言葉として使われてきた慣例が違うだけで、ビジネスとしては同じなので、手続きなどの違いはない
[/topic]
せどりと転売、世間の印象や認識の違いは?
さて、せどりと転売について、いろんな違いを見てきましたが、最後に、気になる世間の印象の違いにもつっこんで調べてみましたよ。
せどりと転売、内容についての一般的な印象や認識の違いは?
近年のものを中心に、せどらー、転売ヤーではないアカウントの方のTwitterでのせどりと転売それぞれの印象について触れている投稿に絞って見てみました。(Twitter内にある埋め込み機能を使ってシェアさせて頂きます)
ドキドキと心拍数が上がる、禁断の(?)結果は…
せどりって言われると「目的地まで案内しますよー」感あるのに、転売って言われると「ここを通りたかったら通行料払いな!」って印象になるのなんだろう
— 🍎🍏柚木🍏🍎 (@yunoki_game) 2018年2月6日
転売屋は最新のものを見境なく買い占めて高値つけてるイメージ。
せどりは古書店に埋もれてる価値のある古書を見極める人なイメージ。どっからこの印象きたんだろう。— グダアヒルチャン!! (@myama_rider) 2017年7月17日
せどりと転売屋の境界って難しい。私はビブリア古書堂の事件手帖で、「せどり」って知ったけど、古本と新品を扱うのでは、なんでこうも印象が違うのでしょうね。昔の交易とかなら、珍しいもの(または不足しているもの)を安いところで仕入れて売るのは当たり前だったわけで。
— とくじぃ(マレーちゃん) (@oekakissa) 2017年7月1日
転売は新品を高値で売ること、せどりは古本を掘り出して販売すること、というイメージを持つ方が多いようです。冒頭の辞典での結果の部分と共通ですし、一般的に同じイメージを持っている人も多そうですね。
実際は、すでに充分にここで書いていてご存じのとおり、せどりをやっていると言っている人でも新品の転売を扱っていたり、転売をやっていると言う人でも、古本や中古品を扱っていることも多いですよね。
せどりと転売の認知度の違いは?
ここでは、googleで検索して結果に表示される数で比べてみようと思います(それぐらいしか方法が思いつきませんでした)。
検索結果の数=認知度ではありませんが、数値で調べられる参考の1つとしてご覧下さいね。
せどり | 転売 |
約 2,600,000 件 | 転売 約 15,200,000 件 |
約6倍位の差がありました。
転売という言葉のほうが広く使われていて、それに応じて認知度も高い傾向だろうというふうに考えても、あながち間違いではないのではと思います。
問題点のところでもあったように、同じ内容でも、転売という言葉で説明しているケースが圧倒的に多かったことから考えても、転売と言う言葉のほうが、認知度は高いのではないでしょうか。
[topic color="green" title="せどりと転売、世間の印象や認識の違い"]
・世間での印象は、転売は新品を扱い、プレミア品で高額の利益をとる印象、せどりは掘り出しものの古本を商品として扱うイメージ
・言葉としては、せどりより転売の方が圧倒的に認知度が高い
[/topic]
意外にも(?)辞典の説明に近い印象の違いですね。実態と比べると、いろいろ考えさせられますね。
【せどりvs転売】納得!違いをガッツリ徹底比較した結果・まとめ
辞典での説明、実態、商品、問題点、手続き、印象や認識など、いろんな面からせどりと転売を比べてみましたが、どうでしたか?
違いはなんとなく感じていたものの、実際の違いが、読む前よりもハッキリしたと感じてもらえたら嬉しいです。
せどりと転売、内容はほぼ同じですが、特に言葉として慣習的に使われてきた場面や回数がかなり違い、従って印象に大きな違いがある、というのが結論です。
調べていると、せどりや転売に関するマイナスイメージもありましたが、内容そのものではなくマナーやモラルの問題で、それはどのビジネスにも同じことが言えると思います。
さて、せどりと転売の違い、重複する部分もあったので、最後にポイントをまとめておきたいと思います。
[topic color="green" title="せどりと転売、ガッツリ徹底比較した結果"]
【辞典による説明やビジネスの実態】せどりと転売は基本的に内容はほぼ同じ、商品内容や利益の上げ方にやや違いがある
【手続きの違い】当然、なし
【扱う商品の違い】扱う商品の違いはほとんどない(俺せどで説明しているせどり・転売について)。言葉としては、せどりは古書や書籍から関連した商品によく使う傾向があり、転売は資産や高額品の場合にも使う
【言葉としての違い】実態よりも言葉として使われる場面に違いが多く、転売のほうがより幅広い分野で使われ、問題がある場合は転売のほうが使われてきた。せどりの方がモラルがある印象
【印象の違い】転売はプレミア品を買い占めたり新品を高値で売る、せどりは古本を掘り出して販売する印象ととられがち
【認知度の違い】使われる場面が多いため、認知度は転売のほうが高い
[/topic]
判ってることも多かったですが、例を調べたりして、根拠が具体的になるとさらに納得が深まりました。
俺せどでテーマにしているようなせどりと転売は、使われてきた分野や場面、印象にに大きな違いがあるだけだったのが判ってスッキリ。
それにしても、[keikou]人の役に立つせどり・転売で商品を欲しがっている世の中の消費者を喜ばせて、マイナスイメージを払しょくして、せどり・転売の全体的な印象をもっとポジティブに変えていきたい[/keikou]ものだな、と感じましたよ。