Amazonでは複数の出品者が1つのカートを獲得しあって商品を販売するのが一般的。
しかし、稀にAmazonの商品ページからカートが消えてしまうことも。「なぜカートが消えるのか」について明確な理由は発表されていませんが、システム上の不具合ではなく「カートを消すべき原因がある」と考えられます。
この問題は、Amazonの顧客第一主義を理解することで、対処法も見えてくるかなと。
本記事では、Amazonのカートが表示されない3大原因と、問題の解決に役立つ有効策を紹介します。
Amazonのカートは売れ行きを大きく左右する
そもそもAmazonのカートが表示されなくても商品は売れるんじゃない?
こんなふうに思う方もいるでしょう。
しかし、結論から言ってしまうと、カートがあるとないでは売れ行きに大きな影響を及ぼします。
特に以下のような商品はダメージ大です。
- 出品者がたくさんいる商品
- 薄利多売の商品
- 回転率が低い商品
Amazon利用者の中には「カートがない=在庫切れ」と認識する人もいます。
めちゃくちゃ売れていた商品が、ある日を境にカートが消えて全く売れなくなることも。売れ行きに直結すると言っても過言ではないほど、Amazonのカートは力を持っていると言えるでしょう。
Amazonでカートが表示されない3大原因
Amazonでカートが表示されない、または消える3つの大きな原因は以下の通りです。
- 出品価格が定価の1.5倍以上になっている
- 人気ECサイトの価格よりも高い
- 出品アカウントのパフォーマンスが低い
出品価格が定価の1.5倍以上になっている
1つ目は、出品価格が定価の1.5倍以上になっているケースです。
シンプルに言うと、プレミア価格の商品になります。例え、相場自体が高くても、定価よりも販売価格が明らかに高い場合、カートが消えた事例が多いようです。
人気沸騰の商品や廃盤商品など、プレミア価格になった商品でよく見られます。
人気ECサイトの価格よりも高い
2つ目のは、Amazon上の販売価格が他ECサイトの相場よりも高いケースです。
- ヨドバシカメラ
- ビックカメラ
- 楽天市場
例えば、上記のようなECサイトの相場よりもAmazonの相場が高い場合、カートがなくなる可能性があります。
Amazonは、他ECサイトと同等、もしくは同等以下の価格で販売したいはずです。全体の相場よりも高くなってしまうと、Amazonのイメージが悪くなりかねません。
「相場よりも高い商品ページ=カートを消す」というような処理をしているのかなと。
明確にどのECサイトを参考にしているのかは発表していませんが、カートがなくなる原因の1つになっていることは、Amazonも公表しています。
出品アカウントのパフォーマンスが低い
3つ目は、出品者自体のパフォーマンスが低いケースです。
- 販売実績がほとんどない
- 悪い評価が多い
- 発送遅延が多い
例えば、上記のような出品者が新規商品登録した場合、カートが表示されない可能性があります。
特にプライム出品ではなく、自社出荷にしているとカートが表示されずらいという意見がありました。
出品者が1名であっても、アカウント自体に問題があるとカートがなくなる原因になるかなと。
Amazonのカートを表示するためにやるべき5つの有効策
Amazonのカートを表示するためにやるべき5つの有効策は以下の通りです。
- プライム出品かつ最安値に設定
- コンディション説明欄を充実させる
- 高評価を保つ
- ストア説明欄を埋める
- キャンペーンを活用する
プライム出品かつ最安値に設定
Amazonに商品を出品する際は、プライム出品かつ最安値で出品してください。
前述した通り、自社出荷や相場よりも高値で販売しているとカートが消えてしまうリスクがあります。高値にして利益を求めても、カートが消えてしまえば売上も上げられません。
カートを表示するためにも、プライム出品と最安値を試してみましょう。
リサーチ段階で相場をチェックしておく
リサーチする際は、以下の点に注意を払ってください。
- 他ECサイトの相場とAmazonの相場
- FBAの手数料
- 最安値の推移
各ECサイトの相場とAmazonの相場にズレがないか確認しつつ、手数料を引いても利益の出る商品を仕入れれば問題ありません。
Amazonのみ価格が高騰しているような商品は、仕入れ対象から除外しておくと良いでしょう。
コンディション説明欄を充実させる
商品ページのコンディション説明欄を充実させると、カートが表示された事例があるようです。
- 商品のコンディション
- 保証の有無
- ストアのかんたんな説明
上記の記載があれば、万が一カートが表示されなかった時にライバルと差別化できます。
コンディション説明欄が空欄になっていると、購入率が落ちる原因にもなるでしょう。しっかり商品説明をすれば、Amazon側にも良い印象を与えられるはずです。
高評価を保つ
アカウントの評価を健全に保つことで、オリジナル商品のカート表示率を上げられるケースがあります。
Amazonは悪い評価の出品者のオリジナル商品を、全面的に売りたいと思わないはずです。
また、販売実績がないアカウントが新規出品しても、信頼に欠けてしまいます。
- プライム出品で販売実績を作る
- 早めに新規商品登録しておく
- 高評価を貯める
上記をこなしておけば、カートが表示される可能性を上げられます。
セラーアカウントのパフォーマンスを高く保つことを徹底していきましょう。
ストア説明欄を埋める
ストアのプロフィール欄を充実させることで、カートが表示された事例もあるようです。
ストア説明欄を空欄にしている人は、意外に多いのではないでしょうか。購入者を第一に考えるAmazonであれば、ストア説明欄は重要要素の1つになるはずです。
カートがない状態を脱するためにも、早めにストア説明欄を埋めるようにしましょう。
キャンペーンを活用する
Amazonのプロモーションを活用すると、カートが表示されたケースもあります。
- セール
- ポイント付与
- セット買いで割引
- 広告
Amazon独自のサービスを活用すれば、その分Amazonにもメリットがありますよね。
また、ポイント付与やセット割などは、購入者にとっても嬉しいはずです。利益を確保しつつ適度にキャンペーンを活用して、カートが表示されないかチェックしてみてください。
Amazonはカートを消す理由を公表していない
ここまでカートがなくなる原因や有効策を紹介してきましたが、Amazon自体がカートを消す理由について公表をしているわけではありません。
なぜ、公表しないのかと言えば、恐らく仕組みの穴をついて一儲けしようと考える人が出てくることを防止するためだと思います。どんなに高度なシステムを作っても、内容を公表すれば穴探しが始まるからです。
Amazonの経営理念を理解するのが大切
地球上で最もお客様を大切にする企業になること
参考:Amazonの会社概要
これはAmazonの会社概要のトップに記載されているものです。この概念から予想できることは、利用者にとって悪影響がある可能性がある場合、カートを消すのではないかということ。
Amazonを利用する全ての人が、相乗り出品の仕組みを理解しているわけではありません。むしろ多くの人が「Amazonで買い物をする」という理解しかしていないでしょう。
Amazon以外の出品者が問題を起こした際「それは出品者Aさんが原因なんです!」と言っても、購入者は「だから何?」ってなりますよね。
こういったトラブルに発展しないために、Amazonは未公開のシステムを使って、問題が起きそうな商品のカートを消していると思われます。
具体例①価格を急に上げた場合
例えば、今まで1,980円で販売されていた商品があるとします。
- 商品の相場:1,980円
- 出品者数:20名
- プライム出品者:10名
商品は他のECサイトよりも若干安かったため、どんどん売れていきます。
出品者からすると、利益率は低いものの回転率が高いので「まぁいいか」といった感じ。ただし、それは全ての出品者に当てはまるわけではありません。
この商品を相乗り出品していたAさんは「利益が100円くらいしかでないじゃないか!」と怒りをつのらせていました。しかし、在庫を100個も抱えていたので、不良在庫にならないために価格を合わせて出品しています。
商品はどんどん売れていき、他の出品者の在庫がなくなっていきます。
最終的にAさんのみが残りました。
ここでAさんは「今までほとんど稼げなかったんだし、独占出品できるようになったんだから俺様価格にさせてもらうぞ!」と、価格を10倍の19,800円に設定しました。
ここで、Amazonがカートを削除しなかったら、どんなトラブルが起きるでしょうか?
1,980円と勘違いして、19,800円を支払ってしまう人が出てくると予想できますよね。その結果「Amazonは詐欺だ」とか「Amazonは高いから使わない方が良い」というような情報が出回るかもしれません。
顧客第一主義のAmazonからすると、こういった商品ページはカートを消した方が良いと判断するでしょう。
具体例②「中古商品 - 可」以下のみの商品ページ
出品されている商品が中古品のみで、状態が良くないもののみだった場合、Amazonは「あまりおすすめしませんよ」という姿勢を取ると考えられます。
顧客のことを第一に考えるなら「うちから買うより、他サイトで新品か状態の良い商品を探してみてください」となるからですね。
カートを消しても、商品が欲しい人は「中古(〇〇件)の出品」をクリックして、納得した上で商品を購入するはずです。少なくとも「カートがない=品切れ」と考える利用者に対して、不快な思いをさせずに済みますよね。
Amazon自体が出品している商品ページは、Amazon自体が責任を負えるのでカートを消す必要がないのかなと。
何が正解なのかは分かりませんが、Amazonは利用者にとって最善を尽くそうとシステムを改善し続けているのは間違いないでしょう。
出品者として腑に落ちない点は多々ありますが、Amazonの仕組みを理解すれば、カートがなくなる原因や対処法が見えてくると思います。
Amazonだけで稼ぐのはやめましょう
結論、せどりで安定的に稼ぎたいなら、Amazonだけでなく、その他の販路も使った方が良いでしょう。
Amazonには、カートが消える問題以外にも、時に出品者にとって理不尽なペナルティを課せられることがあります。
- 真贋調査
- 厳しい出品規制
- 突然のアカウント停止
最も売れる販路であるAmazonですが、出品できなくなってしまう可能性もあるんです。
月1,000万円以上の売上があっても、アカウントを停止されたら、一気に0になってしまいます。これは絵空事ではなく、実際に起きている問題です。一度アカウントを停止されると、復活するのは非常に困難。
今現在、Amazonだけでせどりをしているなら、別の販路にも出品していきましょう。
リスクを分散することで、せどりの安定度を高めることができますよ。
まとめ
Amazonのカートがない問題は、様々な要因がからんでいます。
明確な原因が分からないため頭を悩ませてしまいますが、最も意識するべきは以下の点です。
- 国内ECサイトの相場に合わせる
- プライム出品する
- セラーアカウントを健全に保つ
Amazon、購入者の両方から信頼される出品者でいることが最重要かなと。
どうしてもカートが表示されない商品は、損切りして新しい商品の仕入れに資金を回した方が良いこともあるでしょう。
商品の特性や、ライバルせどらーの動向をチェックしつつ最適な選択をしてくださいね。