セラーセントラルで「割賦販売法に基づく情報提供のお願い」という案内が届いた方もいるでしょう。
はじめて聞く「割賦販売法」という言葉に「何それ?」となった人も多いのではないでしょうか?セラーとしては、何がどう変わるのか理解してAmazonに追加の情報提供をしなければなりません。
情報提供をしないでいると、アカウントが利用停止になるリスクも。
本記事では、割賦販売法について情報提供のやり方や注意事項を解説します。
割賦販売法とは?
割賦販売とは、売買代金を分割して2月以上の期間にわたり、かつ、3回以上に分割(通常は毎年あるいは毎月(月賦販売))して支払うことを約束した売買をいう。
「割賦販売」と聞いてもパッとしませんが、要するに「分割払い」のことですね。Amazonの出品者で言えば、購入者がクレカで分割払いした時に割賦販売法が影響してきます。
もともとの割賦販売法は、小売業者とクレジットカード会社の間でスムーズに取引できるように定められた法律でした。しかし、クレカの不正利用やスキミングによる被害など、利用者の安全を求められるようになります。
その結果、2020年に割賦販売法が改正。ルールが変わったことにより、Amazonの出品者は加盟店扱いとなり、対応が必要になったということです。
出品者からするとAmazonに従うだけなので、個人的な対策などは必要ありません。指示に従って必要な情報を提供してください。情報提供が完了しないと商品登録ができないので、迅速に手続きを完了しましょう。
Amazonで割賦販売法の情報提供を行う流れ
割賦販売法の情報提供を行う方法について見ていきましょう。
- セラーセントラルのアラートカードから申請
- 質問に回答
- 情報を送信
セラーセントラルのアラートカードから申請
新規出品者として登録したばかりの場合、下画像のような通知が届きます。
「同意して提出する」をクリックして、申請フォームに進みましょう。
すでに出品者になっていた方の場合は、下画像のような通知になります。
こちらも「同意して提出する」をクリックして、次の手続きに進んでください。
質問に回答
Amazonからの質問に回答します。
設問1と2にそれぞれ回答して「送信」をクリックしてください。
こちらのページには戻ることができません。
回答をミスったとしても変更できないので、文章をしっかり読んでから選択選択するようにしましょう。
情報を送信
加盟店審査に必要な情報を入力します。
間違った情報を送信すると、審査に落ちる原因になるので気をつけてください。
全ての入力が完了したら、誤字脱字がないかチェックしましょう。
問題がないことを確認して「送信」をクリックしてください。
「コンプライアンスのステータス」という表示が出たら手続きは完了です。
審査結果は15日前後で分かります
審査結果が分かるまでは15日(営業日)くらいが目安です。
問題なく審査に通った場合、Amazonから連絡はありません。問題ありの場合のみ連絡が来ることを覚えておきましょう。
審査中もFBA納品や商品登録など、販売の準備はできます。審査中の時間を無駄にしないように、できることを進めておくのがおすすめです。
割賦販売法【その他の法令の遵守】
割賦販売法とセットで遵守する必要のあるルールをまとめました。
- 関連法令の遵守
- クレジットカード番号の取扱い及び不正利用の防止
- アクワイアラーによる調査への協力
- アクワイアラーによる審査
- 反社会的勢力の排除
公式サイトの文章は難しいので、理解しやすいように噛み砕いて解説します。
関連法令の遵守
「出品者は、割賦販売法、特定商取引法、消費者契約法をしっかり守ってください」というもの。
法令に違反した出品者はペナルティを受けるリスクがあります。
クレジットカード番号の取扱い及び不正利用の防止
クレジットカードの不正利用に関する内容です。
不正利用・漏洩の有無を調査したり、発生した期間や影響範囲などを調査する義務があること。(Amazonに依頼された場合)
同じような被害が繰り返されないように、出品者としてAmazonに協力すること。
上記のような内容になっています。
アクワイアラーによる調査への協力
「クレジットカード会社に、必要な情報を期限内に提出してください」という旨の内容です。
最新かつ正確な情報を提供すること。
クレジットカード関連会社に情報が共有されることに同意すること。
こんな感じです。
アクワイアラーとは、クレジットカード加盟店と国際ブランドの仲介役を務める会社のこと。国際ブランドと利用者の仲介役をする会社を「イシュア」と呼びます。
ちなみに日本ではアクワイアラーとイシュアは同じ会社が担っています。アクワイアラーもイシュアも「クレジットカードの発行会社」と思って問題ありません。
楽天カードの例
- アクワイアラー
楽天カード株式会社 - イシュア
楽天カード - 国際ブランド
VISA/MasterCard/JCB/American Express
こんな感じです。
割賦販売法ではアクワイアラーがよく出てくるので、頭の片隅に入れておきましょう。
アクワイアラーによる審査
クレジットカード会社が出品者を調査した結果、業務を停止する可能性もあるという内容です。
Amazonでは、次のような処置を取る可能性があるとされています。
- 出品の一時停止
- 出品資格の永久停止
- 売上金の留保・没収
状況によってペナルティの重さは変わるようです。
クレジットカード会社に嫌われないように、良い出品者でいましょう。
反社会的勢力の排除
反社会的勢力ではないこと。取引や協力もしてはいけないという旨の内容です。
Amazon公式サイトによる説明は、以下のリンクから確認できます。
割賦販売法に関するよくある質問
最後に割賦販売法に関するよくある質問について見ておきましょう。
- 情報提供しないとどうなる?
- なぜ追加で情報を入力しなければならないの?
- 審査に落ちた理由は分かる?
情報提供しないとどうなる?
割賦販売法に関する必要な情報を提出しない場合、Amazonの出品アカウントが利用停止になります。
利用停止になってから「忘れていました」と言っても復活できる可能性は低いです。情報提供を求められたら、迅速に行うようにしましょう。
なぜ追加で情報を入力しなければならないの?
情報を提供する対象がAmazonではなく、アクワイアラーだからです。
今後、割賦販売法がさらに改正された場合、追加の情報提供が必要になる可能性があります。
審査に落ちた理由は分かる?
いいえ。Amazonは、アクワイアラーの審査結果や内容を把握していないため、理由は公開されません。
アクワイアラーに問い合わせることも不可能です。入力内容のミスも審査に落ちる原因になります。前述した通り、誤字脱字がないか何度も確認して審査に落ちるリスクを最小限に留めましょう。
まとめ
Amazonでは、今後も割賦販売法に関する情報提供を行う必要が出てくるかもしれません。
「前やったから大丈夫だろう」と放置しておくと、一発アカウント停止になる危険もあります。大切なアカウントが、情報提供しなかっただけで使えなくなったら切なすぎますよね。
提出する情報はそこまで多くありません。ただし、入力ミスは要注意です。「間違った情報を提出してアカウント停止になった」という事例も目にしました。
割賦販売法の情報提供は、Amazonではなくクレジットカード会社(アクワイアラー)が管理します。
出品者存続に関して超重要な手続きなので、誤字脱字に気をつけつつ迅速に情報提供を完了させましょう。