顧客第一主義を掲げるAmazonで問題になっているのが「すり替え詐欺」です。
購入者が商品をすり替えてAmazonに返品し、なおかつ返金までしてしまうという出品者からすると申告な問題になります。
Amazon出品者であれば、誰もが被害者になる可能性があるすり替え詐欺。
本記事では、すり替え詐欺の手口や対処法、防止策などを紹介します。
Amazonすり替え詐欺の手口
すり替え詐欺が行われる流れは以下の通りです。
- Amazonで商品を購入
- 商品をすり替える
- すり替えた商品を転売
購入者はAmazonで商品を買った後、商品をすり替えて返品します。
すり替えた商品は、メルカリやラクマなどで転売して利益を得る流れです。
すり替え詐欺の目的
すり替え詐欺には、以下のような手口があります。
- 本物を偽物にすり替え
- 初回限定特典のみ抜き取って返品
- 使って古くなった商品を新品にすり替え
- 新品を中古品とすり替え
- 中身のみ抜き取って返品
本物を偽物にすり替え
ハイブランドの商品を購入して、偽物にすり替える手口です。
最もよくあるすり替え詐欺の手口かなと。全額返金されるため、購入者からするとリスクはありません。本物を転売したり、質屋に持っていって儲けられる仕組みです。
初回限定特典のみ抜き取って返品
初回限定品を購入して、特典のみ抜き取る手口です。
限定の特典は、外箱などがなくても高値で売れやすくなっています。すり替え詐欺に遭いやすい商品の1つです。
使って古くなった商品を新品にすり替え
以前、Amazonで購入した商品を普通に使って、使用感が出てきたところで新品にすり替える手口です。
- Amazonで新品のGoPro10を購入
- 1年後、新品のGoPro10をAmazonで購入
- 古いGoPro10を新品とすり替えて返品・返金
上記の流れで返品すれば、GoPro10を1台分支払っただけで2台目をゲットできてしまうのです。
相乗り出品がデフォルトのAmazonの場合、別の出品者の商品とすり替わる可能性もあります。Amazonの仕組みを逆手にとった巧妙な方法です。
新品を中古品とすり替え
新品を購入して、中古品とすり替える手口です。
例えば、激安の中古品を購入しておき、新品とすり替えれば差額が利益になりますよね。状態が良ければ、すり替えられたことさえ気づかないかもしれません。
中身のみ抜き取って返品
商品のみ抜き取って返品する大胆な方法です。
抜き取られるのは本体だけではありません。細かい付属品のみ抜き取られたら、詐欺に遭っていることに気づけないでしょう。意外にジャッジが難しい詐欺の手口です。
FBA商品が被害に遭いやすい
すり替え詐欺は、主にFBA商品で発生します。
なぜなら、FBA商品はAmazonが返品・返金のジャッジをするため「顧客第一」な対応をするからです。出品者よりも購入者を優先してサポートするのがAmazonになります。
だったら自己発送にすればいいじゃん!
こんなふうに思うかもしれませんが、自己発送にして売れる商品はほとんどありません。
プライム出品者がいる商品ページでは、FBA納品が当たり前です。すり替え詐欺を恐れて自己発送にすると、売上自体が激減するリスクがあるのでやめましょう。
Amazonは対策が難しいのが現状
Amazonは購入者が選択した返品の理由によって「どれくらい返金するか」のレベルが変わります。
しかし、商品に何かしらの問題があるような理由を選択されると、Amazonは商品代金を全額返金するのです。
また、開封済みの場合、返金額は半額となっていますが、あくまでも開封済みとバレた時しか通用しません。ドライヤーなどを使って上手に開封してすり替えれば未開封として扱われるでしょう。
すり替え詐欺をする人は、上手に開封するスキルを持っているはずです。
Amazonではこのような状況から、特別な対策を取るのが困難になっています。出品者自身の対応が大切になるでしょう。
Amazonすり替え詐欺に遭った時の対処法
万が一、すり替え詐欺に遭った時は、以下の流れで対処していきましょう。
- 客観的に判断できる証拠を集める
- Amazonテクニカルサポートへ連絡
- 商品代金の補填
客観的に判断できる証拠を集める
はじめに誰が見てもすり替え詐欺と分かるような証拠を集めましょう。
- 仕入れ時のレシート、納品書、領収書
- シリアル番号
- 購入完了のメールや購入履歴
- Amazonから返送された時の商品画像
上記のような証拠を集めておきましょう。
Amazonから商品が返送されたら商品だけでなく、ダンボールやラベルなども写真におさめておきます。証拠はできるだけ多くあった方が有利になる点を覚えておきましょう。
商品のシリアル番号などは、予め写真に撮っておくのがおすすめです。トラブルの際に役立つので、データとして保管しておきましょう。
Amazonテクニカルサポートへ連絡
次にテクニカルサポートへ連絡して、すり替え詐欺に遭ったことを報告します。
セラーセントラルのトップページ右上にある「ヘルプ」をクリックしてください。
下にスクロールすると3種類のサポートが選べるので、中央の「さらにサポートが必要ですか?」にある「サポートを受ける」を選択します。
「Amazon出品サービス」をクリックしてください。
すり替え詐欺に遭ったことを説明します。
「すり替え詐欺」と入力して「次へ」をクリックしてください。
「次へ」をクリックすると、Amazonが自動で次の質問を表示します。
「FBAの返品に関する補填」を選択して「次へ」をクリックしてください。
最下部に「この問題についてさらにサポートが必要ですか?」という記載があります。横にある「お問い合わせ」をクリックしましょう。
これでAmazonのテクニカルサポートに直接問い合わせができます。
大口出品者ならメール、チャット、電話でのサポートが受けられるので、好きなものを選択しましょう。
ほぼ確実にテクニカルサポートから証拠を要求されます。
事前に用意しておいたレシートや画像などを添付して確認してもらいましょう。
商品代金の補填
Amazon側ですり替え詐欺であることが認められれば、後日補填の通知メールが届きます。
補填を受けるために最も重要なのは、証拠を集めておくことです。しっかりした証拠があれば、何度も問い合わせをすることなく補填されます。
日頃から証拠集めを欠かさないようにしましょう。
Amazonすり替え詐欺を防止する方法
すり替え詐欺を防止するには、ストア名や商品説明文に以下のような文言を入れると良いです。
- すり替え詐欺対策店
- 対策強化中
- シリアル番号を控えてあります
- 特殊塗料でマーキング済み
- すり替え対策実施済み
このような記載をしておくだけでも、すり替え詐欺に遭遇する可能性を低くできます。
また、前述した通り、Amazonに出品する商品は証拠を確保しておきましょう。特にすり替えられた時に判別できるよう、写真を複数用意しておくのがおすすめです。
すり替え詐欺をする人にとって脅威となるメッセージを入れて、被害を最小限にしましょう。
Amazonすり替え詐欺に関する注意点
最後にすり替え詐欺に関する注意点をお伝えします。
- 個人から仕入れた商品はグレー
- 低評価をつけられると消せない
- テクサポへの問い合わせは冷静に
個人から仕入れた商品はグレー
Amazonでは規約上、個人から仕入れた商品を新品として出品してはいけないことになっています。
すり替え詐欺を証明しようと、個人から仕入れた時の証拠を添付してしまうと別のトラブルに発展しかねません。
個人とは、メルカリやラクマで出品している個人から、Amazonやヤフオクで出品している個人の出品者も含まれます。
「私はすり替え詐欺に遭ったんですけど、規約違反しています!」と言ってるようなもんです。
仕入先が個人の場合はスルーするのがベター。規約に違反しない相手から仕入れるようにしましょう。
低評価をつけられると消せない
テクサポにすり替え詐欺と判断されて補填ができても、一度ついた評価は削除できません。
すり替え詐欺をする人間は、詐欺行為とバレないように低評価をつけるものです。「不良品を送ってきた」などの理由で書かれたレビューは、ほぼ削除不可能になります。
だからこそ、そもそもすり替え詐欺に合わないようにすることが大切なのです。
>>Amazonの評価を削除する方法:削除できない時の対処法はある?
テクサポへの問い合わせは冷静に
Amazonのテクニカルサポートへ問い合わせる際は、冷静かつ丁寧なやり取りを心がけましょう。
態度が悪いとクレーマーとして扱われるリスクがあります。行き過ぎた態度は、アカウント停止になる可能性もあるので注意してください。
一度アカウント停止になると、その後に復活させるのは非常に困難です。
Amazonに嫌われても意味はないですし、悪いのはAmazonではなく詐欺を行った人間であることを忘れないようにしましょう。
まとめ
すり替え詐欺は、Amazonならではの便利な仕組みを逆手に取った手口になっていました。
すり替え詐欺を未然に防ぐには「すり替え詐欺対策中」のような文言を入れておくと良いでしょう。商品説明文に記載するのも有効です。
被害に遭った時は、証拠を集めてテクニカルサポートに連絡してください。すり替えを証明できれば、すぐに補填してくれるはずです。問い合わせる際は、丁寧に対応することも忘れてはいけません。
すり替え詐欺は証拠さえ提示できれば怖くありません。
日頃から対策を講じて、問題が起きた際に対応できる準備をしておきましょう。