こんな疑問に答えます。
せどりの確定申告は意外と面倒で、正しい知識を理解する必要です。
- いくらから確定申告が必要なのか?
- 所得や売上の計算方法は?
- 確定申告のやり方
上記のような基礎知識は、全てのせどらーに求められます。
しかし、慣れない確定申告を知識なしでやりきるのは無理ゲーです。スムーズに確定申告を完了するには、どのような方法があるのでしょうか?
本記事では、せどりの確定申告について初心者でも分かるように解説しています。
せどりの確定申告って何?基本を理解しよう!
はじめに確定申告の基礎的な知識を学んでおきましょう。
- せどりは確定申告で「小売業」に分類される
- いくら稼いだら確定申告が必要?
- 確定申告には「青色」と「白色」の2種類がある
- 確定申告しないと罰則を受けます
- 確定申告書類の提出方法は3種類
せどりは確定申告で「小売業」に分類される
せどりは確定申告で「小売業」に分類されます。
「物を仕入れて販売する行為」は、ヤマダ電機もせどらーも変わりません。
業種名を「せどり」にすべきでない理由
確定申告の業種名は、総務省の「日本標準産業分類」から選ぶのが基本です。
上の画像を見て分かる通り、せどりという業種はありません。
くれぐれも業種名に「せどらー」や「転売ヤー」とせずに「小売業」と記入するようにしましょう。
いくら稼いだら確定申告が必要?
せどりでいくら稼ぐと確定申告が必要なのかは、副業か本業かで異なります。
- 副業:年間利益が20万円以上の人
- 本業:年間利益が38万円以上の人
ここで言う「利益=所得」とは「売上から経費を引いた金額」のことを指します。
所得の計算例
- 1年間の売上額:200万円
- かかった経費:150万円
- 所得:50万円
上記の通り、売上から経費を引いた50万円が所得になります。
確定申告では、この50万円に対して納めるべき税金額を計算するということです。
確定申告には「青色」と「白色」の2種類がある
確定申告には、以下2つの種類があります。
- 青色申告:帳簿が複雑/特別控除が受けられる
- 白色申告:帳簿が簡単/控除額が少ない
結論から言うと青色申告一択かなと。
理由は青色申告の方がおトクになるからです。
青色と白色の違い
- 青色申告
最大65万円の節税ができる(特別控除)
赤字を3年繰越できる
30万円未満まで一括経費にできる - 白色申告
青色と比較するとメリットはほぼない
書類の作成は若干面倒ですが、その分節税できるので青色申告を選びましょう。
青色申告は事前に申請が必要です
青色申告は「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要になります。
確定申告をする年の3月15日までに、近くの税務署に申請しましょう。申請用紙は税務署でもらえる他、以下のリンクから印刷することも可能です。
確定申告しないと罰則を受けます
せどりの所得を確定申告しないと脱税行為として罰則を受けます。
せどりにありがちな脱税行為は以下の通りです。
- 過少申告
本来の所得より少ない金額で申請すること - 無申告
そもそも確定申告をしなかった - 不納付
申告はしたが税金を収めなかった
どんな形であれ、確定申告をして税金を納めなければ脱税になります。
脱税行為が発覚すると最悪、刑事罰として以下のような罰則を受けることに…
- 10年以下の懲役
- 1,000万円以下の罰金
- 場合によっては上記両方
控えめに言って、確定申告しないとリスキーすぎます。
せどりで最終的に損をしたくないなら、確定申告はマストでするべきですよ。
確定申告書類の提出方法は3種類
確定申告は、以下3種類の書類提出方法があります。
- 近くの税務署に提出
- 郵送で税務署に提出
- e-Taxでネットから提出
最もメジャーなのは税務署へ書類を提出する方法ですね。
時間がなくて直接税務署へ行けない方は、書類を郵送することも可能です。
3つ目の「e-Tax」とは、国税庁のホームページを介して書類を提出できるサービスになります。
ただし、e-Taxで書類を送信する場合は「住民基本台帳カード」をはじめ、電子証明書の取得が必須です。
せどらーが覚えるべき確定申告の計算方法
次にせどりで最低限必要となる、確定申告の計算方法を見ていきましょう。
- 所得の計算方法
- 売上の計算方法
- 経費の計算方法
所得の計算方法
所得の計算方法はこちら
「売上ー必要経費=所得」
非常にシンプルですね!
ただし、確定申告では所得に対して「所得税」がかかります。
所得税の税率は稼いだ金額によって以下のように変動します。
<例>所得が200万円の場合の所得税の計算方法
「200万円×0.1(10%)ー9万7,500円(控除額)=所得税10万2,500円」
参考画像にある税率と控除額が分かれば、所得税を計算するのは難しくありませんね。
売上の計算方法
売上の計算方法はこちら
「商品の販売価格×販売数=売上」
とてもシンプルですね。
せどりの場合、Amazon、ヤフオク、メルカリなどから入金された金額が売上と考えて問題ありません。
各販路の手数料は既に引かれていますので「入金額=売上」になります。
経費の計算方法
経費とは、せどり(事業)で必要になった出費です。
- ツールの月額費
- 販路の月額費
- FBA納品手数料
- 梱包資材
- 仕入れにかかった交通費
- PCやプリンター代
上記の通り、せどりにかかる経費は沢山あります。
経費の計算方法はこちら
「せどりにかかった出費の合計」
めちゃくちゃシンプルですね。
ポイントは経費をしっかり把握しておくこと。
節税に直結する大事な部分なので、必要経費の洗い出しは厳密に行っておきましょう。
せどりの確定申告で経費になる出費とは
せどりには、経費にできる出費が沢山あります。
以下でよくあるせどりの経費例を見てみましょう。
- 外注工賃
FBA費用、納品代行、外注さんなど - 減価償却費
PC、プリンター、ツールなど - 地代家賃
事務所代、自宅でも数%が経費になる - 荷造運賃
送料、梱包資材、FBA納品費用など - 通信費
Wi-Fi、インターネット回線、スマホ通信費など
他にも様々な出費が経費として認められるんです。
せどりに関する出費を少しでも多く経費にできれば、その分節税できますよ。
在庫は経費でなく「資産」になる
「在庫=経費」と考える方がいますが間違いです。
正しくは「在庫=資産(利益)」であり、経費にすることはできません。
在庫の数と金額を計算する行為を「棚卸(たなおろし)」と言います。
計算方法はこちら
在庫の数×仕入れ原価
<例>年間売上300万円/在庫50万円/経費100万円の場合
300万円+50万円ー100万円=利益額250万円
上記のように計算できます。
売れた商品の仕入れ値は「売上原価」として経費にできますが、在庫の仕入れ値は利益になる点に注意してください。
間違って在庫を経費にしてしまうと、追加で税金を払うことになるので気をつけましょう。
せどりの確定申告のやり方2つ
せどりの確定申告書類を作成するには、以下の方法から選ぶと良いでしょう。
- クラウド確定申告ソフト
- 税理士に依頼する
確定申告のやり方①クラウド確定申告ソフト
クラウド確定申告ソフトとは、PCにインストールすることなく利用できるサービスのこと。
アカウントとパスワードが分かればどんなPCからでも利用でき、スマホアプリ版なども用意されています。
クラウド型の確定申告ソフトは月額制です。
コストはソフトによっても異なりますが、年間6,000〜15,000円ほどになっています。
おすすめの確定申告ソフト3つ
現在、最もメジャーな確定申告ソフトを3つ紹介します。
プラン名 | 料金 | |
Freee(フリー) | スターター | 月額:1,180円 年額:11,760円 |
やよい青色確定申告オンライン | ベーシック | 初年度6,000円/年 翌年より12,000円/年 |
MFクラウド確定申告 | パーソナルライト | 月額:1,280円 年額:11,760円 |
初年度の料金が最も安いのは「やよいの青色申告オンライン」ですね。
3つの確定申告ソフトの中で最も使用率が高いのは「freee」になります。
基本的にどの確定申告ソフトを使っても、簡単に書類作成が可能です。迷っている方は、ネット上に沢山の情報を見つけられるfreeeを選ぶと良いでしょう。
確定申告ソフトは毎日使うべき
人によっては「確定申告ソフトは、確定申告の時だけ使えば良いんでしょ?」と考えるかもしれません。
確かに1ヶ月のみの契約にすれば、コストを最小限にできますよね。
しかし、結論から言うと確定申告の時期だけ契約するとソフトを使うメリットが限りなくゼロになるんです。
なぜなら、1年に1度全ての経費や売上を入力することになるから。
年間を通して確定申告ソフトを利用していれば
- 1日1回データを入力
- 確定申告ソフトの時期になったらワンクリックで書類作成
という非常に簡単な流れで書類を作成できます。
また、月々の利益なども確定申告ソフトから確認できるようになるので、ここはケチらずに年間契約しておきましょう。
確定申告のやり方②税理士に依頼する
2つ目は税理士に依頼して書類を作成してもらう方法です。
費用は5〜10万円が相場かなと。
税理士に依頼するメリットは、面倒な確定申告を丸投げできるところです。結論、確定申告できるようになってもお金が増えるわけではありません。
「とにかく利益に直結する行動に集中したい!」って方は、税理士に確定申告を依頼すると良いでしょう。
税理士の代行料は依頼内容や税理士によって変動するので、近くの税理士や知人の繋がりをあたってみてください。
会社にバレないように確定申告する方法:完璧じゃない
「会社に副業せどりしてるのをバレたくないんだけど…」と思っている人も多いでしょう。
結論としては「会社にバレない方法はあるが完璧ではない」になります。
会社に副業がバレる要因は「住民税」です。通常、会社は社員に対して住民税の課税を行っています。
しかし、副業せどりでガッツリ稼ぎ始めて確定申告すると、会社側は「〇〇さんの住民税だけ高くなってるな〜」となるわけです。
「住民税に関する事項」を「自分で納付」にする
会社に副業せどりで稼いだ分の住民税を通知しないようにするには、確定申告の提出書類を若干カスタムすればOKです。
確定申告の書類にある「住民税に関する事項」の中に「給与からの天引き」と「自分で納付」を選択できる項目があります。
ここで「自分で納付」を選択すれば、会社に通知がいくことはありません。
「自分で納付」を選択した場合、コンビニや銀行振込などで支払う必要があります。
ただし完璧な方法ではありません
前述した通り、この方法を使っても稀に会社へ連絡がいくこともあります。
この場合、あなたが副業せどりをしていることを隠し切ることは難しいでしょう。完全に副業せどりを隠せる方法ではないということを覚えておいてくださいね。
せどりの確定申告でよくある質問
最後にせどりの確定申告でよくある質問をまとめました。
- 初心者が1人で確定申告できるものですか?
- 仕入れにかかったお金は経費にできますか?
- 領収書や請求書がなくなったら経費にできませんか?
- 楽天ポイントは確定申告する必要がある?
初心者が1人で確定申告できるものですか?
はい可能です。
確定申告ソフトには、分からないことを質問できるチャットサービスや電話サポートがついています。
何が経費になるかや、勘定科目の設定なども気さくに答えてくれるので、初心者でも問題なく確定申告できますよ。
仕入れにかかったお金は経費にできますか?
いいえできません。
仕入れ代金は「仕入高」つまり資産になります。
商品が売れた場合のみ「売上原価」となり、経費として計上できる点に注意してください。
領収書や請求書がなくなったら経費にできませんか?
こちらはグレーですね。
税務署からチェックが入った時に、領収書や請求書がないと証明するものがありません。
そのため、普段からスマホのカメラで領収書や請求書を撮影しておき、万が一実物がなくなっても大丈夫な環境を作っておくことをおすすめします。
楽天ポイントは確定申告する必要がある?
楽天ポイントは、ポイントを使って利益を得た時のみ確定申告します。
確定申告が必要な例
- 楽天ポイントで仕入れをした
- 電子マネーに換金→現金化した
- 楽天ポイントで金券を購入→換金した
楽天ポイントを獲得して保有している分には、確定申告の必要はありません。
楽天ポイントの確定申告は、副業か本業かで分類される課目が変わります。
- 副業:一時所得・雑所得
- 本業:事業所得
ちなみに年間50万円までの楽天ポイントは所得控除で非課税になります。
楽天ポイントを年間50万円使う副業せどらーはそういませんよね。
なので現実的なラインとしては、副業せどりで楽天ポイントを使う方が確定申告の心配をする必要はそこまでないでしょう。
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【副業せどり】楽天ポイントは確定申告するべき?具体的なやり方も解説
まとめ
これからせどりを始める方は、確定申告についても同時に学んでいくことをおすすめします。
「確定申告=面倒なだけ」と考える方もいると思いますが、せどらーにとってメリットもあるものです。
- キャッシュフローが理解できる
- 節税対策できる
- 目標に対する具体的な改善策が分かる
確定申告は、お金を厳密に数値化する行為でもあります。
国に対して納める税金だけでなく、ビジネスマンとしてキャッシュフローを理解する際も役立ちます。
ぜひ、この機会に確定申告に関する準備を始めて、お金の流れを冷静に分析できるせどらーになってくださいね!